「ワーキングメモリ」ってなんですか?

「ワーキングメモリ」ってなんですか?

私たちは何かを学ぶとき、「情報」を覚えたり、それをもとに考えたりしていますよね?
その情報は、耳から入る音声情報(音や言葉、文章、数など)と、目から入るイメージ情報(文字、形、絵、模様、位置、動作など)の2つに大きく分けられます。

確かに!分けて考えたことありませんでした。

「ワーキングメモリ」とは、音声情報やイメージ情報を一時的に覚えておきながら、目的に合わせて取り出したり、組み合わせて考えたりする「脳の働き」のことなんです。
よく「脳の黒板」とたとえられています。

この2つの情報が処理される部門は、脳の左右で異なります。
音声情報を取り扱う部門を「言語領域」、イメージ情報を取り扱う部門を「視空間領域」と呼んでいます。

私たち一人ひとりがみんな違うように、ワーキングメモリの特徴も一人ひとり異なっています。
まずは「学びにはワーキングメモリが関係している」ということを覚えておいてくださいね!

お子さまに、苦手なことやできないことがあれば、それぞれの領域のワーキングメモリの弱さに起因していることもあります。

たとえば


「漢字を覚えられない」ときには、
❶読みを覚えられない


(言語領域の弱さ)
❷漢字の形や線の位置を覚えられない


(視空間領域の弱さ)

どちらの理由も考えられますね。

えっ、それ全然違う原因じゃありませんか??

そうなんです。じつは多くのお子さんが、学習や日常生活の中に少しずつ悩みを抱えていて、原因がわからずにいます。
そこにワーキングメモリの特性が関係している可能性は大いにあるんです。

でも、できないことに注目するのではなく、得意な領域の力を活かして、学びやすい方法で習得を促してあげられるといいですよね。

私たちは「お子さんのワーキングメモリの特性を知ることで、その子にマッチした学習の支援や方法を準備して、伸ばしていきましょう」とお伝えしている協会なんです。

やる気や勉強量の問題じゃない可能性があったなんて……不毛なバトルが減るかも!でも、ワーキングメモリってつまり脳のことですよね。一般家庭の保護者が知る手段はあるんですか?

一般的には、医療機関や教育支援センターなどで行われている「WISC(ウィスク)」という知能検査で知ることはできます。これは発達のバランスを知るための代表的な検査で、  その検査指標のひとつに「ワーキングメモリ(WMI)」に関する項目があります。

現在主流の第4版(WISC-Ⅳ)のワーキングメモリ指標は、ワーキングメモリの構成要素である、言語領域の記憶・処理を測るものなんですね。
なお、第5版(WISC-Ⅴ)は視空間領域も測定できるようになっているようです。

※詳しくはこちらもお読みください。

やっぱり専門機関に行かないといけないんですか……
時間がかかりそうだし、親子とも緊張しそう……

ところが、ご自宅で、いつでも受けられるワーキングメモリの検査があるとしたらどうでしょうか?

そんなのがあるんですか??

はい、ご紹介しますね。