自宅で受けられる、ワーキングメモリの検査 HUCRoW って?
自宅で受けられるワーキングメモリの検査
HUCRoW って?
パソコンやタブレットがあれば受けられる、ワーキングメモリの特性がわかる検査、それが HUCRoW(フクロウ)です。
ゲームのような8つの課題を通して、お子さまのワーキングメモリの特性を「見える化」して理解することができるんです。
ご自宅や施設など、お子さまにとって慣れ親しんだ「安心安全な場所」で受けることができるので、たとえば発達障害やさまざまな特性をお持ちのお子さまでも、リラックスしながら実力を発揮しやすいんですよ。
おうちにいながらゲーム感覚で…!
脳波とか測るわけじゃなくてホッとしました。
ちなみにどうして HUCRoW っていうんですか?
HUCRoWとは「Hiroshima University Computer-based Rating of Working Memory」の略称です。
開発者であり、ワーキングメモリ研究の第一人者である湯澤正通先生(広島大学大学院人間社会科学研究科教授)にご協力いただいて、一般社団法人ワーキングメモリ教育推進協会で提供しています。
どんな子が受けられるの?
おもに、小学生・中学生(6~15歳)を対象としています。所要時間は90分程度です。
※未就学児でも受検可能な「簡易版HUCRoW」もあります。
(簡易版 HUCRoWは一部のみの検査となります。)
※16歳以上で受検ご希望の方はお問い合わせ🔗ください。
どんな検査なの?
言葉や線、形などを覚えたり、比べたりする8つの課題(ゲーム) を行います。
パソコンやタブレットで検査ページにログインし、マウスまたはタッチ操作で解答していきます。
どうやって受けるの?
受検はウェブ上で(パソコン推奨)、いつでもどこでも可能です。検査日として決まった日時はありません。
ご自宅や施設で、お子さまに合ったタイミングで進められます。
どんなことがわかるの?
音声情報(言語領域)とイメージ情報(視空間領域)の分野、それぞれにおいて、記憶したり考えたりする力が「見える化」されます。
スコアとグラフによって、お子さまの強み・弱みが理解できて、 学習方法や日常生活におけるかかわり方に活かすことができます。WISC-V 以前は対象外だった、視空間領域の特性(位置や絵、一連の動きのとらえ方など)についても、こまやかに把握することが可能です。
スコアとグラフによって、お子さまの強み・弱みが理解できて、 学習方法や日常生活におけるかかわり方に活かすことができます。WISC-V 以前は対象外だった、視空間領域の特性(位置や絵、一連の動きのとらえ方など)についても、こまやかに把握することが可能です。
※ご注意※
HUCRoWは、発達特性を診断するものではありません。個々のワーキングメモリの特性を把握するもので、「その子の特性を理解するための指標のひとつ」としてお考えください。お子さまをカテゴライズしたり、パターン分けを意図するものではございません。
- ゲーム感覚で取り組みやすい!
- すぐに受検できる!
- 1日で終わらなくてもOK!
- ペースや体調に合わせられる!
- 慣れている環境で受けられる!
湯澤正通先生 プロフィール
広島大学大学院人間社会科学研究科教授
一般社団法人ワーキングメモリ教育推進協会代表理事
特別支援教育士スーパーバイザー
ワーキングメモリ理論に基づいた教育支援やアセスメントについて、長期にわたり研究と啓発に努める。
おもな著作 ⇨こちらより
『ワーキングメモリを生かす効果的な学習支援』(学研 / 2017年)
『算数の基礎を養うトレーニングブック』(ワーキングメモリ教育推進協会 / 2021 年)
『ワーキングメモリに配慮した「読み」「書き」「算数」支援教材』(明治図書出版 /2022 年)
開発までの経緯
ワーキングメモリの研究を始めたきっかけは、イギリス留学でした。もともと認知発達や学習のメカニズムについて研究していたのですが、留学先でワーキングメモリと学習の困難性に関連があるとする理論を知り「実際の教育現場で役立てる」実践的な研究をしていたことに感銘を受けました。
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帰国後、Alloway博士(ワーキングメモリ研究の専門家)が開発したワーキングメモリのテストを、許可を得て翻訳。日本語による独自のテストを開発することにしました。それがHUCRoW です。
テストの設計、予備調査や改良を重ね、全国の小・中学校で 2,000人近くのデータを収集。4年近くかけて、妥当性と信頼性の確認を行いました。その後、ワーキングメモリのアセスメントとして公開し、教育に関係する方は誰でも利用できるようにしました。 コンピュータベースのテストであることもポイントです。
メッセージ
ワーキングメモリの容量には個人差があります。教師や支援者、保護者にとって必要なことは、一人ひとりの「学びの個性」を把握し、それに合った教育や支援を行うこと。強みのある側面を活かし、子どもを伸ばしてあげることです。学習の道筋や速度は異なっても、適切なサポートがあれば子どもは成長します。今後も研究を重ね、「困り感」を持つ子どもたちの学習の手立てとなり、役に立つことに寄与していければと思っています。